ユッコの8枚目のシングル曲『くちびるNETWORK』は、86゙春の新作カネボウ化粧品(Bio・COLORNETWORK)のイメージ・ソングとして起用されて、大きな話題と共に32万枚を売り上げるユッコ1番の大ヒットシングルとなった。 『くちびるNETWORK』という魅力的なタイトルで作詞を手掛けたのは、ユッコと同じサンミュ−ジック事務所の先輩だけでなく、歌手として常に尊敬の念を抱き続けた存在の松田聖子。 ユッコは、1985年6月24日、事務所の先輩でもある松田聖子の結婚披露宴で少し緊張気味に愛くるしい笑顔で祝福の言葉と共に真っ赤なバラの花束を添えて手渡した。 姉妹のように仲良い二人の関係から、この大ヒット曲は誕生する。 この年のユッコは、歌手デビュー2年目で4枚のシングル曲をリリースしていた。 🔴二人だけのセレモニー ◇1985年1月16日発売 ◇オリコン最高 4位 ◇売上数 20万5千枚 🔴Summr Beach ◇1985年4月17日発売 ◇オリコン最高 5位 ◇売上数 15万枚 🔴哀しい予感 ◇1985年7月10日発売 ◇オリコン最高 7位 ◇売上数 14万枚 🔴Love Fair ◇1985年10月5日発売 ◇オリコン最高 5位 ◇売上数 15万枚 しかし、セ−ルス数が停滞状況である事から、サンミュ−ジックのユッコプロジェクトは、デビュー3年目に突入する1986年の第1弾シングル曲となる次曲のヒットを狙う為に意図的に策を練り上げた。 それは、話題性の浴びるものとして従来の可愛らしいユッコのイメージチェンジを図る戦略。 そして、『ポスト聖子」と称されていたユッコの為に事務所の看板頭で結婚休業していた先輩トップアイドル歌手・松田聖子からの作詞提供であった。 こうして先輩、松田聖子から、後輩ユッコへの少し早いクリスマスプレゼントが届けられた。 🔴1985年12月3日 ユッコが待ち兼ねていた松田聖子と坂本龍一との打ち合わせ。 ユッコは、傍目でも判る位にスタジオ入りしてからも、終始ソワソワし続けていた。 『ご無沙汰してます』 ユッコは、ビブラ−トが繋かっている様な緊張した声で挨拶した。 ユッコの為に松田聖子が詞を書いて、坂本龍一がメロディを付ける楽曲は、夢のような2人のBIGコンビでプロデュースされる。 松田聖子自らが、仮歌を吹き込んだテ−プを持って来て、その仮歌を聞きながらスタッフは、歌詞の符割が聖子のものだった為に戸惑った。 《これだと、メロディが若干、変わってしまうんだけど…》 戸惑うスタッフに阪本龍一は言う。 『聖子ちゃんは、最高の歌手。 その聖子ちゃんが、こうやって歌った方が良い、と思うなら、それが1番ベストなんだよ』 一流は、一流を知る。 そして、いよいよ、レコーディングが開始された。 そして、暫くすると途中で松田聖子がスタジオにやって来た。 しかし、スタッフは、わざと松田聖子が来た事をユッコ本人には知らせなかった。 それは、ユッコが緊張して、上がらない様にする為のスタッフのユッコへの思いやりと気遣いからであった。 そして又、聖子自身もスタッフと同じ思いで心得ていたから、あえて少し時間を遅らせて来たのだった。 それでも、ユッコは、ガラス越しのスタッフにも判る位に緊張していた。 松田聖子がユッコの隣に立って、譜面を指でなぞりながらアドバイスを与えて、実際に聖子自らが歌って聞かせた。 そんなユッコの表情は、緊張の余りに頬をピンクに染めていた。 松田聖子からのアドバイスを受けて、見守られながら歌うユッコは、緊張で声が上がってしまいリテイクの連続だった。 『他の方の作詞をするのは初めてだったので、今までにない責任を感じました。 後輩でもある、有希子ちゃんの為にも、心を込めて書いてみました。 有希子ちゃんも一生懸命に歌ってくれたので、とても嬉しく思っています』松田聖子 『二人の美女に囲まれての仕事は最高でした。 今回の曲も小気味の良いテンポが魅力の自信作です』坂本龍一 レコード発売日の1月29日が近付くに連れて、スタッフのボルテージも段々と上がって来た。 特に前日の28日には、ラジオ番組での電話インタビューが入った事もあって、レコーディングスタジオは大いに盛り上がった。 サンミュ−ジック出版の杉村女史が『スタッフ全員で明日、レコードを買いましょ!』と、先陣を切って言い出した。 勿論、スタッフ全員が大賛成する。 早速、スタッフ達は『俺は渋谷で買う!』『俺は横浜まで買いに行く!』などと分担が決まった。 応援してくれるスタッフ達の様子を少しハニカミながら。眺めていたユッコの表情は嬉しそうだった。 ユッコ自負、レコードが出る度に自分で買いに行って、デビュー曲《ファ−スト・デイト》を『自分で5枚も買って持ってる』って、話した時にはスタッフ一同は好意的に笑って呆れてみせた。 2月10日 『くちびるNETWORK』、オリコンチャ−ト第1位で初登場! ユッコは、僅かデビュー1年半のキャリアで偉業を成し遂げた。 『夢じゃないですね。 聖子さんも、レコーディングの時に来て下さって、実際に自分で歌って下さったんです。 やっぱり上手いなァ…と思ったし、凄いスターだなとも思う。 もう、手の届かない人だと思いますね。 この曲は、今まで私が歌って来た曲よりも、歌詞中の女の子が積極的になっています。 だから、詞だけ読むとチョット過激かな…?って思うけど、メロディサウンドやヴォーカルと歌詞を全部含めて聴くと『春めいて来たなァ』と感じる曲です。 そして、沢口靖子さん共々、頑張って、春のプロモーションを大成功させたいと思っています。 特に好きな歌詞は、2番の最初の方でTVでは、その部分を歌う機会ってまずないと思うから、余計にそこが好きになっちゃうのかもしれませんね(笑) 有希子にとって大切な曲になりそうな感じです』 【歌詞を見る】 <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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